猫と一緒にお前も飼わせてくれ

自分メモのゆる備忘録。好きなものこととか色々入り乱れ書き殴り

深い森に落とされたような<生まれる森 感想>

 

久しぶりに感想備忘記事

 

いい作品に出会ったので。

 

f:id:xx____If:20180502234958j:image

 

 

最近、訳あって図書館に時々足を運んでいて。一息つくのに本でも借りようと思って手に取った一冊です。

島本理生さん、ずっと読んでみたかったのだけど これが初めてです。

 


‪切なくて肌寒いけれどどこか心地よさのある少女時代の終わり


吐き出すような苦しみを見るようで痛々しい。
でもそこにあるのは恨みなどではなく、大切にしたい気持ちを拗らせた、根源はやはり愛であるような...そういう、その頃にだけ許されるようなガラスみたいな無垢で美しく若い想い

 

繊細で決して強くない主人公のことを抱きしめたくなってしまう作品だった

 

私にも、焦がれても届かなくて、たったの1度でも再び触れてしまえばもう生きてはいられないような。
会いたくて仕方が無いのに考えるだけで体が反応して胃がキリキリしてくるような。そんなふうに思う相手が心にいた

 

忘れていた記憶に切なく、あたたかく重なってくれるような感覚でした。

彼女の周りの人たちみたいに、付かず離れずの距離で自分を救おうともがいてくれる人が当時の私にもいたならと思ってしまった。

それと同時に、あんなに切実で、本当に自分を保つだけで精一杯なくらいに苦しかったのに、こんなに呆気なく忘れて今を楽しく生きている自分がなんとなくおかしくなった。


正直、今でもたまに夢に出てきて愛しくなってしまうほど大切な記憶の人なのだけど、でも、痛みとか消化しきれないやるせない気持ちとか、そんな青いもの 全部どこかへ消えてしまっている。
あの頃私も少女だったのだなぁ
きっと主人公も私くらいの年齢になると同じようにおかしく思うのだろうな。

そしておかしく思えるようになった時はきっと、若い頃にあんな、自分の世界そのものみたいな恋ができたことを幸せだったなって思える

苦しかったけど、出会ってくれてありがとうってお礼が言いたくなるような。あの頃しか出来ないような大きくて純粋な、切なくて甘い刹那を過ごさせてくれたこと感謝したくなるような。

...懐かしく思えるようになるんだろうな。



毎年思うけど、夏が来ると何故か懐かしい気持ちになるのってどうしてなんでしょう。

その場にいる時間を穏やかに見守ってくれるようなやさしい田舎の夏の描写がとても好きだった

父親との微妙な距離感、
お互いに核心に触れたいのに接し方が分からない感じがリアルで切なかった。


著者の作品をもっと読んでみたいな。
詰んでるもの消化したらまたたくさん本が読みたい。久しぶりに手に取ったのがこの作品でよかったです

 


「そばにいると苦しくてたまらないのに、離れようとすると大事なものを置き去りにしているような気持ちになった。」